草原

大会プログラム

2019年6月28日(金曜日)

 午後/大会企画 
【大会企画】「個別相談とATライブラリー」

大会1日目、まずは自分の所属機関の課題やニーズをクリアにすることから始めてみませんか。得たい情報、知りたい支援ノウハウを明確にすることで、大会期間中の情報収集や交流も活発に行えるようになります。支援体制整備、支援方法、対応に困っている事例の相談、支援技術(Assitive Technology)の試行・体験ができるブースを設定しています。相談には、PHED(東京大学)、HEAP(京都大学)、PEPNet-Japanの関係者(障害学生支援を専門とする協力者)が対応します。 (※個別相談枠は予約優先を予定しています。詳しい予約方法は5月以降にご案内します。)

【協力】障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業(PHED)
    高等教育アクセシビリティプラットフォーム(HEAP)
    日本聴覚障害学生高等教育支援ネットワーク(PEPNet-Japan)
【大会企画】「発達障害の可能性のある学生へのアセスメント/支援ワークショップー」

発達障害の可能性のある学生から修学上の相談や合理的配慮の申請を受けた場合のアセスメントや支援のあり方を考えます。特に、障害の状況に関する根拠資料としての心理検査等の実施・取り扱い、アセスメントに基づく修学支援や合理的配慮の検討プロセスについて講師から話題提供を行います。話題提供を受けて、参加者で小グループを構成し、発達障害の可能性のある学生の仮想事例について事例検討を行います。

【コーディネーター】 佐々木銀河(筑波大学)、髙橋知音(信州大学)

2019年6月29日(土曜日)

 午前/協議会報告・行政説明|分科会
【協議会報告】協議会報告

AHEAD JAPANの活動報告等

全国高等教育障害学生支援協議会(AHEAD JAPAN)


【行政説明】行政説明

各機関からの関連情報の提供

内閣府、文部科学省、日本学生支援機構(JASSO)
【分科会】大学における障害学生支援コーディネーターの役割とは何か -プロフェッショナルスタンダードを問う

コーディネーターの能力・スキル・知識・価値観・態度等は、「大学」「障害」「学生」「支援」各々に適合し、かつオーガナイズされたものでなければならない。すなわち、自身の専門性の「色」があるにせよ、障害学生支援職として多様な業務を遂行するうえでは、コーディネーターには「大学における障害学生支援領域」において共通認識に裏打ちされた「柱」が必要である。しかしながら、その議論はいまだ不十分である。本分科会では、米国のプロフェッショナルスタンダードや異なる専門背景を有するコーディネーターからの話題提供等を通して、その「柱」に関して、考える機会としたい。

【コーディネーター】森麻友子(和歌山大学)、岡田孝和(明治学院大学)
【講師】藤原隆宏(関西大学)、木谷恵(京都大学)、柘植道子(一橋大学)
【担当理事】村田淳(京都大学)
【分科会】高専における障害学生支援の現状と課題

高等教育機関でありながら高校生年齢の学生の在籍があり、寮生活を送る学生の割合が比較的高く、市街地から離れた場所にキャンパスが置かれている学校が多いため地域連携が難しい等、他校種とは違う高専ならではの支援課題がある。高専における現在の支援状況の確認と共有、そして支援体制強化に取り組むためのディスカッション等を行うワークショップを実施し、各校における課題を整理する。

【コーディネーター】 矢澤睦(仙台高等専門学校)、舩越高樹(京都大学)

「※本分科会は高専関係者のみが参加できます。」
 午後/教育講演|分科会 
【教育講演】学知による支援

地域社会のいたるところで、障害のある人々への支援は行われている。しかし、学知の巨大なアーカイブである大学という特殊な場でしか実践できない支援があるだろう。学知は、たくさんの先人たちの苦労や躓きをきっかけに練り上げられてきた。障害のある学生が直面する苦悩や困難のなかには、多様な学知を必要とするものもあり、大学で支援を行うものは、困難と学知をつなぐ役割も担うべきではないか。かつての一障害学生としての経験と、現在、障害学生支援を行っている立場での経験を架橋しつつ、大学でしか行えない学知による支援を展望する。

【講演者】熊谷晋一郎(東京大学)
【分科会】障害学生の留学受け入れおよび送り出しに関する現状と課題

文部科学省では「留学生30万人計画」として、2020年度を目途に大学等における 体制を整備し、留学生受け入れについて推進が図られてきた。また、日本人学生が学術研究等において活躍できるようにするため、「トビタテ!留学 JAPAN」に関連するプログラムとして、学生の経済的な負担の軽減等といった海外留学支援が打ち出されている。一方、留学と障害が交差するところで課題が山積しつつある。本分科会では、留学の受け入れと送り出し双方における現状について話題提供を受け、課題の所在について議論を深めたい。

【コーディネーター】 ピーター・バーニック(長崎大学)、池谷航介(岡山大学)
【講師】 ヒューバート眞由美(立命館大学)、山下聖(立命館アジア太平洋大学)
【担当理事】髙橋知音(信州大学)
【分科会】公立大学における障害学生支援の現状と課題

公立大学には、国立私立と比較し、障害学生支援に関して国からの直接的な補助金がなく教職員数も少ないなど、リソースが限られた中での支援が模索されているという共通の課題がある。一方で、法人化した大学や自治体直営の大学があり、設置形態に多様性がみられるほか、置かれた状況や規模が多様であるという特徴もある。規模や支援体制の違う2校からの情報提供を参考にしつつ、各大学の状況と今後の課題の整理と共有に取り組む。

【コーディネーター】 舩越高樹(京都大学)
【講師】 横山正見(首都大学東京)、瀬戸泰(岩手県立大学)

「※本分科会は公立大学関係者のみが参加できます。」

2019年6月30日(日曜日)

 午前/セミナー|分科会
【セミナー】障害学生支援におけるマネジメントと学内連携に関するセミナー

障害学生支援が法的義務となり4年目を迎えるが、障害学生支援室を立ち上げたもののコーディネーターの業務や学内連携に課題を抱えるケースが多い。さらに新たに支援室を立ち上げる大学向けの企画がAHEADの協議会に求められている。本セミナーの前半では国立大学と私立大学の支援体制構築に関する話題提供を行い、後半では参加校の現状について情報交換を実施するとともに問題解決に向けた協議を行う。

【コーディネーター】 柏倉秀克(桜花学園大学)
【講師】 田中真理(九州大学)、神藤典子(関西大学)
【分科会】大学等における重度障害学生の生活支援のあり方を考える

地域の支援リソースと連携した重度障害学生に対する生活支援等の事例が報告されるようになっているAHEAD JAPANでは、2018年度に文部科学省の委託を受け、国内事例や海外における取組状況に関する情報を収集した。本分科会では、調査事業の結果を共有し、今後の大学等における生活支援のあり方について考える機会としたい。

【コーディネーター】 五味洋一(群馬大学)、大村美保(筑波大学)
【講師】 奥山俊博(東京大学)
【担当理事】 渡辺崇史(日本福祉大学)
【分科会】発達障害学生に対する就職活動支援 ー大学の支援者ができること

2018年4月1日から、民間企業においては、障害者の法定雇用率が2.0%から2.2%に引き上げられた。これを受け、障害者雇用に前向きな動きを見せている企業も少なくない。しかしながら、障害者雇用の中でも、とりわけ発達障害学生への雇用に関しては、障害特性に対する理解不足もあり、受け入れる企業はもちろん、大学と企業をつなぐ就労支援機関や学内のキャリア支援部署等もまだまだ戸惑いを抱えているのが現状である。本分科会では、学部教員、学内キャリア支援担当者、障害学生支援室スタッフ、それぞれの立場と視点から、発達障害学生が安定した就労と社会的自立を目指すうえで、必要な学内外の連携の在り方について話題提供をしていきたいと考える。

【コーディネーター】 日下部貴史(富山大学)、工藤陽介(明星大学)
【講師】 篠田晴男(立正大学)、塚田吉登(社会福祉法人すいせい、関西学院大学)、中山肇(NPO法人リエゾン)
【担当理事】 西村優紀美(富山大学)
【分科会】障害学生支援と災害時対応をめぐる課題

地震や風水害、それに伴う交通やインフラの麻痺が全国各地で発生している。あなたの所属する高等教育機関では、災害・事故・人災など不測の事態を想定した準備が果たしてできているだろうか。実際、多くの機関で障害学生の避難や安全確保の対応計画や、学生本人との話し合いを通した事前準備に着手できていないのが現状かもしれないが、この問題を先延ばしにはできない。この分科会では障害学生支援と災害等の緊急時対応に関わる具体的な課題を取り上げ、こうした難しさをクリアするための視点の共有と、日常の支援実践の中からできる手立てを検討する。 (※一部、小グループでの情報交換の時間があります。)

【コーディネーター】 佐藤剛介(高知大学)、酒井春奈(立命館大学)、森脇愛子(東京大学)
【担当理事】 中野泰志(慶応義塾大学)
 午後/シンポジウム|分科会
【シンポジウム】障害のある生徒の高校から大学への移行を支援する

障害のある生徒が高校を卒業して大学に移行するまでの間には、様々な移行支援のニーズがある。まずは入試における配慮事項を本人が主体となり志望大学と交渉すること、転居や一人暮らしに伴い、保護者の支援や自治体の福祉資源から離れること、受動的なものから能動的なカリキュラムや教育活動へ履修方法や学び方が変わることなど、社会的に自己決定を求められる自立した個人となることが本人に求められる。現在行われている高大移行支援の取り組みの話題提供から、今後の高等教育機関で必要となる取り組みついて議論する。

【コーディネーター】近藤武夫(東京大学)
【講師】 桶谷文哲(富山大学)、田中裕一(文部科学省)
【分科会】教育の質保証とテクニカルスタンダードをめぐる諸課題について

医療系、教育系、工学系等の資格取得を目指す学部では、資格取得に必要な本質的要件を示すテクニカルスタンダード(TS)が「教育の質」を保障する観点として挙げられる。東京大学 障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業(PHED) のSIG「専門職養成とテクニカルスタンダード専門部会」の検討内容を報告しつつ、要件充足と法制度の関係も検討しつつ、米国と日本の事例を参照しながら参加者とともに議論する場を提供したい。

【コーディネーター】 西村優紀美(富山大学)、嶋田かをる(熊本保健科学大学)、舩越高樹(京都大学)
【担当理事】 川島聡(岡山理科大学)
【分科会】メンタルヘルスと合理的配慮

本分科会では、統合失調症や気分障害など、大学生年代で発症する可能性のある精神障害や発達障害についての基本的な理解を深めることを目的とする。精神障害(発達障害を含む)の特徴を踏まえて、この領域の合理的配慮の構成や、合理的配慮の枠組みにおさまらない配慮について話題提供を行う。また、精神障害は治療可能性を内包しているため、医療を含む外部機関への接続も重要な課題となる。連携の実践についても紹介する。

【コーディネーター】 渡辺慶一郎(東京大学)
【講師】 安宅勝弘(東京工業大学)、垣内千尋(東京大学)、川瀬英理(東京大学)、相澤直子(東京工業大学)
【担当理事】 丸田伯子(一橋大学)
【分科会】図書館の障害者サービスにおける著作権法とテキストデータ提供について

障害者差別解消法では、2016年4月から図書館等公的機関に障害者への合理的配慮の提供を義務付けている(私立図書館などの民間の事業者は努力義務)。しかし、図書館の障害者サービスは、大学によって対応はまちまちであり、情報の共有や著作権についての理解があいまいな部分もある。そこで、視覚障害学生等、教科書や参考文献のテキストデータ化を必要とする学生への支援をアクセシブルにするために、著作権について理解し、リソースの情報共有を行う。

【コーディネーター】 宮城愛美(筑波技術大学)、土橋恵美子(同志社大学)
【講師】 佐藤聖一(日本図書館協会障害者サービス委員会、埼玉県立久喜図書館)、元木章博(鶴見大学)、楠敬太(大阪大学)
【担当理事】 白澤麻弓(筑波技術大学)

以上