高等教育と障害 / 第1巻 第1号

資料

イギリスのケンブリッジ大学Disability Resource Centreの取り組みから発達障害学生の支援について考える

三好 智子
2019年 1巻 1号 p.84-97
DOI: 10.34322/jhed.1.84
要旨
本稿では,イギリスのケンブリッジ大学Disability Resource Centre(DRC)における障害学生支援について,発達障害学生への支援を中心に紹介し検討を加えることで,今後の障害学生支援に役立つ知見を得ることを目的とした。ケンブリッジ大学およびイギリスの大学では,障害種別として「特異的学習困難(Specific Learning Difficulty)」が最も多く,DRCでは学習への取り組みを支える支援が充実していた。またさまざまな合理的調整やその手続きに関する情報がホームページで公開されるとともに,利用にあたっての行動指針が明確に示されていた。1990年にスタートした障害者学生手当の2016/2017年度からの本格的な削減を契機として,DRCの障害学生支援は,大学独自の基金の立ち上げや,インクルーシブな指導および学習のさらなる推進といった新たな展開へと繋がっていることがうかがえた。
キーワード
イギリス 大学生 発達障害 支援 合理的調整
本文
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