AHEAD JAPAN CONFERENCE 2022

オンラインプログラム

配信期間:2022年8月29日(月)—2022年10月2日(日)
(配信期間中すべての動画がいつでもご視聴いただけます。)

講演

「障害学から見た『障害学生支援』の基本問題」
登壇者:星加良司(東京大学)

星加良司 イメージ

障害のある学生の支援を考えるとき、社会モデルの視点は欠かせない要素となります。特に、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮の提供にあたっては、社会モデルを理念的・感覚的に理解するだけでなく、その背景も含めた本質的な理解が重要であると考えます。今大会の講演企画では、障害の社会モデルを理論的に紐解く「障害学」を専門とする星加良司先生をお招きして、「障害学から見た『障害学生支援』の基本問題」と題した講演企画を実施します。障害学生支援を専門とする教職員はもちろん、多くの教職員にとって、障害学生支援とは何かについて理解・整理する機会になればと考えています。

行政説明

内閣府、文部科学省、日本学生支援機構から、高等教育機関における最新の障害学生支援の動向をお話しいただきます。

分科会

「改正障害者差別解消法をみすえた支援体制の整備 —私立大学における対応を考える」
事例紹介(ショーケース):札幌学院大学、青山学院大学、神戸学院大学、九州ルーテル学院大学
登壇者:神藤典子(関西大学)、土橋恵美子(同志社大学)、生川友恒(静岡大学)
司会:柏倉秀克(桜花学園大学)
企画コーディネーター:村田淳(京都大学)

大学等における障害学生支援は2016年に施行した障害者差別解消法の影響もあり、各大学等における重要な課題となっています。一方で、現時点においては取り組み状況の温度差が生じているのも事実であり、特に、障害者差別解消法では合理的配慮の提供が努力義務であった私立大学において、その温度差は小さくありません。ただ、2021年5月に成立した法改正によって、私立大学における合理的配慮も法的義務になることとなりました(施行は3年以内)。
本分科会では、いくつかの私立大学における支援体制についてショーケース形式で事例紹介するとともに、ショーケースをふまえたトークセッションにおいて、改正障害者差別解消法の成立をふまえた、各大学における支援体制の整備について議論します。

「障害学生支援と『ひと』を考える コーディネーター養成の視点と方法」
登壇者:酒井春奈(立命館大学)、日下部貴史(富山大学)、堀田亮(岐阜大学)、髙橋桐子(ハワイ大学マノア校/東京大学)
司会・企画コーディネーター:宮谷祐史(京都大学)

障害学生支援の分野は、法施策の後押しを受けながら少しずつ成熟している最中にあります。現状を押し並べてみれば、未だに多数派とは言えませんが、障害学生支援に関する専門職(いわゆるコーディネーター)を配置する大学が増えてきており、その専門性についても議論が進められてきました。改めてみると、障害学生支援は入ってくる人材が多様であることが一つの大きな特徴となっています。現在では心理・福祉・教育・医療などの他領域の人を“借りてくる”形になっており、障害学生支援の“ひと”(専門職)として育っていく、育てていく必要があります。本分科会では”ひと”に焦点を当てる形で、障害学生支援の専門職における専門性、そして人材育成(養成)について考えます。

「テクニカルスタンダードと合理的配慮をめぐる諸課題について5 —障害学生支援分野においてTSが果たしてきた歴史と役割の確認と日本での活用の模索」
登壇者:舩越高樹(高専機構本部)、Peter Bernick(長崎大学)、他調整中

本分科会は東京大学「障害と高等教育に関するプラットフォーム形成事業(PHED)」の「専門職養成とTS専門部会(SIG-TS)」での議論や活動をベースに企画し、これまで(1)「日本にけるテクニカルスタンダード(以下TS)をめぐる諸相」(2)「支援者はTSとどう向き合うか?」(3)「医学教育分野における実際の対応状況」(4)「実践場面におけるテクニカルスタンダードの活用事例」をテーマにそれぞれ情報提供してきました。今年度SIG-TSでは(A)米国においてTSが果たしてきた役割とその歴史に立ち戻りつつ、今後日本の高等教育機関における位置付けについての再検討(B)専門職養成系大学卒業生へのヒアリングを通した資格取得の障壁となりうる規定・規準に関する実態把握(C)隣地実習担当者へのヒアリングを通したTSをめぐる課題抽出(D)TS策定に向けて動き出した医療職養成系団体への提言を取りまとめています。本分科会ではこのうち(A)での成果を発信し、今後の専門職養成系大学における合理的配慮提供の基本的枠組みを確認する機会としたいと思います。

「読書バリアフリーの現在地」
登壇者:宮本二郎(文部科学省)、近藤武夫(東京大学)、野口武悟(専修大学)、他1名調整中
司会:青木千帆子(早稲田大学)、宮城愛美(筑波技術大学)
企画コーディネーター:中野泰志(慶應義塾大学)

2019年に読書バリアフリー法が成立し、視覚障害者等の読書環境の整備が総合的かつ計画的に推進されつつあります。本分科会では、読書バリアフリー施策の推進状況の全体像について、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に係る関係者協議会」を厚生労働省と共管している文部科学省にご報告いただきます。その上で、障害学生支援に関係の深い施策、例えば、視覚障害者等用データの収集・送信サービス、マラケシュ条約に基づく国際サービス、学術文献の視覚障害者等用資料の製作、デジタルコレクションの全文テキスト化等についてご報告いただきます。これらの報告を受け、障害学生支援の現場で、これらの取り組みをどのように活用可能かについて指定討論を行います。

「高等専門学校における障害学生支援の特徴と課題」
登壇者:濵中ミオ(仙台高専)
登壇者・企画コーディネーター:舩越高樹(高専機構本部)
司会・企画コーディネーター:矢澤睦(仙台高専)

高専は、高等教育機関でありながら高校生年齢の学生も在籍し、大学とは異なる特徴を有しています。また実験・実習を伴う工学系の専門分野が多く、発達障害傾向がある学生への配慮・支援の必要性が比較的高い課題を有します。
昨年度は、発達障害傾向がある学生への支援事例を用いて支援のポイントを確認しました。今年度は、高専関係者のみならず大学等の関係者にも高専における支援の特徴と課題を紹介する企画として、高専機構本部と各高専の関係、高校生年齢の学生が在籍することによる特別支援教育と障害学生支援の考え方の異同や保護者対応の重要性などをテーマとする自由討論を、高専機構本部教員、現場カウンセラー、現場教員による座談形式で行います。

実践・研究発表

大会に投稿された高等教育機関における障害学生支援に関する取り組み・実践及び学術研究発表を公開します。
コロナウイルスによる授業のオンライン化を受け、昨年の実践・研究発表では、オンライン支援や相談といった高等教育機関における現状がリアルタイムで多数発表されました。
今年も高等教育機関における現状や課題を、それぞれの現場や研究から多数発表されることを期待しています。

実践・研究発表の申し込み

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