プログラム
Day.1
9月4日(木)
10:00-10:10
開会の挨拶
主催者代表(AHEAD JAPAN)
共催者代表(関西大学)
10:15-12:00
講演
「少数派問題としての発達障害(神経発達症)─ニューロダイバーシティを理解するために─」
- 登壇者
- 横道誠(京都府立大学文学部)
- ナビゲーター
- 望月直人(大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター)
- 内容
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日本では最近、「脳の多様性」(ニューロダイバーシティ)という概念が注目を集めるようになっています。これは簡単に言えば、発達障害者を「脳の少数派」(ニューロマイノリティ)、発達障害のない定型発達者を「脳の多数派」(ニューロマジョリティ)と捉えなおす思考法に関係があります。障害の有無ではなく、文化的社会的少数者として発達障害の問題を再考するものです。
横道誠さんは、40歳で自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)の診断を受け、自助グループ活動、当事者研究、オープンダイアローグ的対話実践を通じて、自身や「発達仲間」たちの特性と向きあいつつ、社会変革を要請されてきました。
横道さんの活動内容や見解を紹介していただきながら、ニューロダイバーシティの世界観を案内し、発達障害に対する新しい展望を提供していただきます。 - プロフィール
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横道誠(よこみち・まこと)
1979年生まれ。博士(文学)。京都府立大学文学部欧米言語文化学科准教授。専門は文学・当事者研究。文学研究の傍ら、宗教2世、発達障害などの当事者として、10種類の自助グループを運営し、それにもとづいた本を多数刊行している。
13:15-17:00
ポスターセッション/ブース展示
- 実践・研究のポスター発表
- 関連団体、賛助会員のブース展示(JASSO、PHED、HEAP、PEPNet-Japan、BHE等)
13:15-14:15
対談
対談①「障害のある学生は人生設計をどのように考え、どんな支援を必要としているのか」
- コーディネーター
- 山森一希(大阪大谷大学障がい学生支援室<アクセスルーム>)
- 対談パートナー
- 舩越高樹(筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局)
- 内容
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企画者である私は車いすユーザーで、中学入学時に特別支援教育が開始され、大学3回生のときに、障害者差別解消法が施行されたことにより、以前よりも修学機会が保障された環境で大学生活を送った世代です。そんな私でさえ、社会的障壁により選択肢が狭められたと感じた場面や、本当はやりたいのに過剰に不安を高めて、安易に諦めようとした経験があります。でも、支援者に背中を押されたり、逃げずに向き合うことを選んだりする中で、自分が望む人生を選べたという手応えをもてました。
支援者になった私が今大事にしていることは、支援体制が強化され学生の選択肢が増えているかのように見える中でも、支援者という名の他者が勝手にレールを敷かないこと、学生が自ら人生を選び取ったと感じられるようにすることです。
今回はこの考えを起点にして、障害のある学生が自己決定に基づく人生を設計していくために必要な支援とは何かを考えられたらと思っています。
14:30-15:45
行政説明
「障害学生支援をとりまく社会的動向」
- 登壇機関等
- 内閣府、文部科学省、日本学生支援機構
15:30-17:30
高専分科会
「皆で考える、高専の障害学生支援の特徴と課題」
- コーディネーター
- 矢澤睦(仙台高等専門学校)、舩越高樹(筑波大学ヒューマンエンパワーメント推進局)
- 話題提供者
- 大里浩文(佐世保工業高等専門学校)
※他のプログラムとは異なり、当分科会では手話通訳・文字通訳を個別ニーズにあわせて手配することとしているため、参加を希望される方で手話通訳や文字通訳を利用される方は、8月8日(金)までに大会事務局までご連絡ください。
- 内容
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これまでもさまざまな場で議論されてきた高専における障害学生支援の特徴と課題について、今回は改めて参加者の皆さまと整理して共有する機会としたいと思います。
企画の前半は、「1. ある高専における具体的な支援の特徴や課題」、「2. データから見る高専という教育機関の支援の特徴や課題」、の二つの話題提供を行い、質疑応答を行います。後半は、話題提供の内容をベースに参加者の皆さまがそれぞれの立場から自由に語り合う機会とします。参加者の立場や人数に応じてグループを分けたディスカッションにする可能性もあります。
高専における支援の特徴と課題をテーマとしていますが、ぜひこのテーマで語り合いたい、というご希望がありましたら、下記連絡先メールアドレス宛にお寄せください。高専の障害学生支援に興味・関心がある、広範な立場の皆さまのご参加をお待ちしております。
連絡先メールアドレス:矢澤睦(仙台高専)yazawa(at)sendai-nct.ac.jp ※(at)を@に変えて送信してください。
16:00-17:00
対談
対談②「『建設的対話』と『コンフリクト』について話してみる時間」
- コーディネーター
- 村田淳(京都大学学生総合支援機構)
- 対談パートナー
- 川島聡(放送大学教養学部)
- 内容
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障害学生支援において「建設的対話が大切だ」ということは、多くの大学等にとって基本的な認識となっていると思いますが、法整備等が進むなかで「正しい支援」への意識が高まり、(その考え方そのものは悪くないものの)気がつけば双方の間には「交渉」や「ジャッジメント」、そして時には「申し立て」という関係性が生まれていることも少なくありません。また、昨今では「紛争の防止解決の枠組みを用意しておきましょう」という文脈も強化されていますが、そもそもその枠組みをどのように設けていけば良いのか、迷いや疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
障害学生支援の現場では「建設的対話」と「紛争(コンフリクト)」がつきものです。今回の対談企画では、これらの関係性やメカニズムをどのように考えて、そして実践的な対応へと展開させていくためのヒントを探る機会にしたいと思います。
Day.2
9月5日(金)
分科会企画
当⽇、ご関⼼のある分科会を選んでご参加ください(事前申し込み不要、先着順)
午前の部 10:00-12:00
「関西圏における障害学生支援のこれまでと現在地—地域とつながる・地域でつながる—」
- コーディネーター
- 藤原隆宏(関西大学学生相談・支援センター)
- 話題提供者
- 土橋恵美子(同志社大学学生支援センタースチューデントダイバーシティ・アクセシビリティ支援室)、吉澤明日香(京都大学学生総合支援機構障害学生支援部門(DRC)
- 内容
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障害学生支援においては、個々の高等教育機関が、いま目の前に存在する学生の合理的配慮を提供するため、会話を重ね支援を行っておられることでしょう。一方で、学内に支援体制を整備していくことや、個別対応の事例など、他の大学が有する経験や知識を共有することで、一定の水準を維持し、適切な障害学生支援を提供できるという側面があります。また、近年では大学内の資源だけでなく、地域の資源を活用する機会も増えたのではないでしょうか。今回、関西大学で全国大会が開催されるこの機に、障害学生支援の歴史を振り返りつつ、大学間のネットワークおよび地域資源との連携について、「関西」という地域をモデルにして語り合います。いわば、「つながり」をテーマにした分科会です。
「コーディネーターになるというキャリアパス:悩み、葛藤から強みの発揮へ」
- コーディネーター
- 堀田亮(岐阜大学保健管理センター)
- 話題提供者
- 川添茜(鹿児島大学障害学生支援センター)、城月珠美(成蹊大学学生サポートセンター障がい学生支援室)、森麻友子(和歌山大学キャンパスライフ・健康支援センター)
※日本学生相談学会協力企画
- 内容
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障害学生支援の「コーディネーター」という言葉から連想する役割や機能そして理想像は、多かれ少なかれ人によって違うのではないでしょうか。そして、その違いを生み出す一端は、個人の志向性に加え、対人援助職としてどのような学びやトレーニングを経験してきたかが影響しているのではないでしょうか。
本分科会では、カウンセラーとして研鑽、業務をしていたところ、いろいろな事情、タイミングがあって現在はコーディネーターとして奮闘している3名が登壇し、日々の迷いや葛藤、そして「そんな私の生きる道」について話題提供します。
さまざまなキャリアパスを歩んだ人が集うこの領域だからこそ、参加者も含め、お互いを知り、自身のこれまでを振り返り、立ち位置や強み、そしてコーディネーターとしてありたい姿の再確認となる機会となることを目指します。心理に限らず、あらゆるバックグラウンド、専門性をおもちの方の参加をお待ちしています。
「支援技術(AT)の今とこれから―活用の実際と制度を考える―」
- コーディネーター
- 大前勝利(京都大学学生総合支援機構附属ディスアビリティ・インクルージョンセンター)
- 話題提供者
- 山口俊光(新潟大学)、渡辺崇史(日本福祉大学工学部)
- 内容
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高等教育機関での授業形態が多様化していくなか、障害のある学生の教育や学び、そして合理的配慮の選択肢の一つとしてAT(支援技術)の活用が注目されています。
一方で、ATに関する情報が少ないなどの背景から導入や運用がハードルになることも少なくありません。
本分科会では、障害のある学生の学びを支えるATの「活用の実際」と「制度的課題」に関して国際的な視点を交えて議論を深めます。京都大学高等教育アクセシビリティプラットフォーム(HEAP)における支援技術活用の取り組みや、昨年実施した米国「Assistive Technology Industry Association (ATIA) 2025」視察プロジェクトをはじめとした、登壇者それぞれの立場から国内外での実践や普及活動について話題提供を行います。後半のトークセッションではフロアの皆さまとATの今後について考える機会とします。
午後の部 13:15-15:15
「合理的配慮の決定プロセスを見つめ直す—第三次まとめの『長期化』『固定化』の課題を踏まえて—」
- コーディネーター
- 楠敬太(佛教大学学生支援センター)
- 話題提供者
- 寺尾藍子(京都精華大学学生支援チーム障害学生支援室)、工藤晋平(名古屋大学)、安田真之(特定非営利活動法人ゆに)
- 内容
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合理的配慮決定プロセスにおいて、第三次まとめでは「申出から決定までの長期化」と「一度決定した配慮を変更しにくい固定化」という課題が浮き彫りになりました。
各大学では合理的配慮決定プロセスのフローが整備されつつありますが、そのフローに従わなければ合理的配慮を提供できないのでしょうか。
本分科会では現場のコーディネーターや当事者を登壇者とし、大学の規模や区分別の事例を比較・分析しながら、合理的配慮決定プロセスの現状を整理します。続いて、合理的配慮を決定する際に重要とされる「意思の表明」「根拠資料」「建設的対話」のあり方について検討します。これらの検討を通じて第三次まとめで明らかになった課題を克服し、フロアの皆さまとともに合理的配慮決定プロセスのより良いあり方を具体的に議論していきたいと考えています。
「小規模大学×障害学生支援」
- コーディネーター
- 荒木史代(福井工業大学 基盤教育機構 学生生活支援室)
- 話題提供者
- 泉聡子(下関市立大学)、蒔苗詩歌(宮城学院女子大学)
- 内容
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日本学生支援機構「大学等における学生支援の取組状況に関する調査(令和5年度(2023年度))」では、大学規模が大きいほど、充実した組織体制の下で様々な取り組みが実施される傾向にあるという結果が示されています。「第三次まとめ」においても、小規模大学が単独で障害学生支援や障害学生支援担当者の育成に取り組むことには限界があることが指摘されている一方で、小規模大学の障害学生支援担当は、各大学固有のニーズに応じた障害学生支援体制を整備し、日々試行錯誤をしながら障害学生支援に取り組んでいます。
本分科会では、地域性を含め小規模大学固有のニーズの違いはあるものの、障害学生支援体制を整備する上で重要な財政(例、学内予算、補助金等)や大学間連携(例、大学等連携プラットフォーム等)を含め、小規模大学での体制整備や障害学生支援について、各大学の実践事例から参加者の皆さまと一緒に考えていく時間としたいと思います。
「大学図書館によるアクセシビリティ保障の実際」
- コーディネーター
- 近藤武夫(東京大学先端科学技術研究センター)
- 話題提供者
- 相澤雅文(京都教育大学)、楳原衣恵(東京大学附属図書館情報サービス課資料整備チーム)、譽田優子(福井工業大学)、植村要(国立国会図書館総務部企画課)
- 内容
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大学や大学図書館は、学内の障害学生の図書・資料のアクセシビリティ保障に直接関わります。大学図書館がハブとなり、国立国会図書館(NDL)の障害者サービスを利用したり、資料共有を行う事例も増えています。また、より踏み込んで、地域の児童生徒・学生のアクセシビリティ保障にも関わる事例も生まれています。
本分科会では、NDLからの情報提供や、大学での実務事例、地域連携の実践事例をもとに、大学と大学図書館が果たすべき役割について議論します。