AHEAD JAPAN

プログラム

Day.1

9月7日(木)
会場:B棟(立命館いばらきフューチャープラザ)

10:00-10:10
2F グランドホール

開会の挨拶

主催者代表(AHEAD JAPAN)
共催・特別協力者代表(⽴命館⼤学)

10:10-12:00
2F グランドホール

講演

「ソーシャルインクルージョンをすすめるための高等教育支援—豊かな自立生活への助走—」

登壇者
玉木幸則(NHKEテレ「バリバラ」レギュラー出演他)
ナビゲーター
村田淳(京都大学)
内容

55年間、脳性まひという特性と付き合ってきた自分の人生を振り返ってみると、いろいろ見えてくることがある。小中学校は、普通学校へ。高等学校は、全寮制の養護学校へ。そして、大学進学と歩んできたが、絶妙な合理的配慮と人間関係の中で生きてこられたと思う。そして、自立生活センターや相談支援専門員として働いてきた中で、障害のある仲間の自立生活支援などをやってきた。昔と比べると障害者の自立生活を支える「仕組み」は整ってきたが、一方で、何かもの足りない気がしている。その中で、もう一度、共に生き続けることについて考えていきたい。

プロフィール

玉木幸則 写真

玉木幸則(たまき・ゆきのり)
1968年兵庫県姫路市にて、仮死状態で生まれたため脳性まひとなる。
1991年日本福祉大学社会福祉学部第2部卒業。1992年自立生活センターメインストリーム協会事務局次長に就任以後、障害者の自立生活運動にのめりこむ。2013年4月~2020年3月社会福祉法人西宮市社会福祉協議会勤務。
現在、一般社団法人兵庫県相談支援ネットワーク代表理事、社会福祉法人西宮市社会福祉協議会権利擁護普及推進及び相談支援アドバイザー、特定非営利活動法人日本相談支援専門員協会顧問、内閣府障害者政策委員会委員、厚生労働省相談支援従事者指導者研修に関わる検討委員会委員、龍谷大学客員教授等を務める。
NHKEテレ「バリバラ」に毎週金曜レギュラー出演中。

12:00-17:00
2F ギャラリーR-AGORA

開催校企画

ブース展示(立命館大学 生存学研究所)

13:15-14:30
2F グランドホール

行政説明

「改正障害者差別解消法をみすえた行政説明」

登壇者
内閣府、文部科学省、日本学生支援機構

※当プログラムは後日会員向けにオンデマンド配信も行います

13:15-17:00
1F イベントホール

ポスターセッション/ブース展示

  • 実践、研究のポスター発表
  • 関連団体のブース展示(JASSO、PHED、HEAP、PEPNet-Japan、RADD)
  • 賛助会員のブース展示

15:30-17:30
2F B276ラーニングスタジオ

高専分科会

※本企画は高専の教職員を対象としています。

「高専における障害学生支援の現状と課題—コロナ禍の経験を「対面」でシェアリング!—」

登壇者
矢澤睦(仙台高等専門学校)コーディネーター 、舩越高樹(筑波大学)コーディネーター
内容

この3年間コロナ禍の影響で情報交換や情報共有が満足にできなかった高専における障害学生支援の現状と課題について、思う存分語り合う、久しぶりの機会です。企画のほぼ全編が全員参加のディスカッションとなる予定です。参加人数に応じてグループを分けたディスカッションになる可能性もあります。
テーマには「コロナ禍における支援の実際」や「コロナ禍を経験したことによる今後の支援の変化の可能性」などを想定していますが、是非このテーマで語り合いたい!というご希望がありましたら、下記連絡先メールアドレス宛にお送りください。多くの高専関係者の皆さまのご参加をお持ちしております。(本分科会は基本的に高専関係者を対象としております。)
連絡先メールアドレス:矢澤睦(仙台高専)yazawa(at)sendai-nct.ac.jp ※(at)を@に変えて送信してください。

15:45-16:45
3F コロキウム

対談

「障害学生の教育・学びを保障するための障害学生のコミットメントを考える—聴覚障害領域の場合—」

登壇者
松﨑丈(宮城教育大学)コーディネーター、中津真美(東京大学)
内容

障害学生支援は、障害学生が大学等における教育や学びのバリアに直面している事実を大学等が認識することで始まります。その認識を構成する要素のひとつに、障害学生のコミットメントがあります。障害学生のコミットメントとは、障害学生のエンパワメントプロセスのひとつであり、障害学生支援や大学等の教育体制に対して、障害学生が主体的な態度で真摯に関わっていくことを指します。
実際、大学の教育や学びに関して様々な不満や葛藤を抱える障害学生がいる一方で、障害学生を対象にしたコミットメントに関する教育や研修の場は皆無に近いといえます。障害学生一人ひとりの生活史を背景にした自己のありようも関わってきますが、そうした背景を知る機会もほとんどありません。大学等には、卒後の障害者の就労や人生の実態を踏まえ、障害学生のコミットメントに関心を持つことが求められます。
そこで本企画では、聴覚障害学生支援の実践事例から障害学生のコミットメントに対する大学等のありかたを議論していきます。

Day.2

9月8日(金)
会場:A棟・C棟

午前の部 10:00-12:00
(会場は後日公開)

分科会企画

※当⽇、ご関⼼のある分科会を選んでご参加ください(事前申し込み不要)

[支援部署のマネジメント分科会]「障害学生支援を当たり前とするために—高等教育機関における障害学生支援の体制整備について—」
登壇者
神藤典子(関西大学)コーディネーター、望月直人(大阪大学)コーディネーター、土橋恵美子(同志社大学)、松本聡子(神戸女学院大学)、赤田太郎(四條畷学園大学・短期大学)
内容

障害者差別解消法が改正され、すべての高等教育機関において合理的配慮の提供が法的義務となる日が近づいています。予算や人などリソースに限りがあるなかで、急ピッチでの体制整備が求められており、喫緊の課題といえます。しかしながら、障害学生支援における紛争・解決といったネガティブに捉えがちな一部分に敏感になりすぎるあまり、合理的配慮提供や体制整備を必要以上に困難にさせてはいないでしょうか。
本文科会では、規模や支援体制の異なる3校から、いかに学内での理解者・協力者を増やして支援を構築しているか、またそれに伴う課題について話題提供していただきます。参加者のみなさまと意見交換しながら、肩の力を抜いて対話の大切さや障害学生支援を考えることで、学生支援の目指すべき方向性への気づきを得られる機会にしていきます。

[障害学生支援に求められるケースワーク分科会]「障害学生支援に求められるケースワーク—前提と手法—」
登壇者
藤原隆宏(関西大学)コーディネーター、大村美保(筑波大学)、酒井春奈(立命館大学)、辻井美帆(京都大学)
内容

障害のある学生の修学支援を考える際、様々な形でのケースワークが必要になる場面があります。ただ、そのようなケースワークについては抽象的な理解がなされていることも少なくありません。
ケースワークとは、「人間と社会環境との間を個別に、意識的に調整することを通してパーソナリティを発達させる諸過程」(M.E.リッチモンド)です。障害学生支援における支援者も、個別性を尊重し、社会的障壁を取り除くために「意識的に」環境に働きかけ、調整を行っています。つまり、障害学生支援を進めるにあたって、ケースワークはとても重要な要素であると考えられます。
本分科会では、現場のコーディネーターから、障害学生支援においてどのような前提や手法が用いられ、支援者は何を大切にしているのかを報告していただきます。その際、ケースワークの手法を意識しながら、「ケースワークが障害学生支援に共通の手法となるために何が必要か」「障害学生支援におけるケースワークに欠かせない視点とは何か」について考えていきます。

[読書バリアフリー分科会]「読書バリアフリー制度・情報・リソースの効果的な活用方法」
登壇者
中野泰志(慶應義塾大学)コーディネーター、植村要(国立国会図書館)、宮城愛美(筑波技術大学)、野口武悟(専修大学)、青木千帆子(筑波技術大学)
内容

障害学生支援において、教科書、学術書、学術論文等の学修に必要な図書をアクセシブルにしたり、読書環境を整備したりすることは極めて重要なテーマです。近年、著作権法の改正、マラケシュ条約の批准、読書バリアフリー法や障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法の成立等の法制度が急速に整えられ、国立国会図書館や国立情報学研究所等の取り組みによりアクセシビリティを高めるためのリソースも整備されつつあります。しかし、これらの制度やリソース等の活用状況は、大学によって大きく異なります。
本分科会では、関連する法制度の動向、国立国会図書館が提供しているリソースやガイドライン等の情報をご紹介いただきます。また、これらのリソースやガイドラン等を、障害学生支援室でどのように活用すれば良いかについてデモンストレーションを行った上で、全体討論を行い、今後の課題と展望をまとめていきます。

午後の部 13:15-15:15
(会場は後日公開)

[シラバスと障害学生支援分科会]「高等教育の質保証×障害学生の合理的配慮:シラバスの役割や課題から考える」
登壇者
佐々木銀河(筑波大学)コーディネーター、中島英博(立命館大学)、ピーター・バーニック(長崎大学)
内容

合理的配慮の提供において重要な観点のひとつが本質変更不可です。最近では合理的配慮として、対面授業をオンラインで受講したいという障害学生のニーズが表面化しており、改めて高等教育の質保証と障害学生の合理的配慮について考える機会が増えています。
高等教育の質保証における重要な資料のひとつが、授業の到達目標や学修内容を記述する「シラバス」です。シラバスの内容は障害学生の授業選択や合理的配慮の申請等にも影響しますが、そもそもシラバスの役割や課題について十分に知らないことが数多くあります。
本企画では、高等教育論を専門とする中島英博さんから高等教育におけるシラバスの役割と教育の質保証について話題提供いただきます。その後、ピーター・バーニックさんから日本の障害学生支援におけるシラバスの現状と課題について話題提供いただきます。そして、佐々木銀河さんから海外の障害学生支援部署が発行するシラバスの書き方に関する資料調査の結果を話題提供いただき、フロアのみなさまとともに障害学生の合理的配慮に伴う教育の本質について議論を深めていきます。

[多職種連携を考える分科会]「多職種連携を考える—学生相談との連携—」
登壇者
柏倉秀克(桜花学園大学)コーディネーター、堀田亮(岐阜大学)コーディネーター、生川友恒(静岡大学)、梅本直(京都外国語大学)
内容

障害学生支援と学生相談では求められる役割や素質が重複する場合もあり、部署としてどのように棲み分けをするかがしばしば課題になります。また、高等教育機関によってはひとりで両者の役割を担っている場合もあり、個人の中で役割葛藤を抱えることもあるでしょう。
本分科会では障害学生支援部署と学生相談部署が、個人/組織としてどのような連携や機能分岐の仕方があるのか、「望ましい」連携とは何かを考えていきます。
話題提供者には、それぞれの日常実践を基に、連携に対する考え方や課題について紹介していただきます。後半では参加者も交えたディスカッションを通して、「答え」のない問いに、さまざまな「応え」を見つける機会を提供していきます。近くて遠い、遠くて近い障害学生支援と学生相談の関係について、うまくいっていることだけではなく、うまくいっていないことも共有し、障害のある学生のために両者が協働できることを検討します。

[障害学生の就労・キャリア支援分科会]「障害学生のキャリア支援—明日からできることと、めざす方向性—」
登壇者
面高有作(九州大学)コーディネーター、井戸智子(トヨタ自動車株式会社)、井手沙織(大阪大谷大学)
内容

障害学生におけるキャリア支援の重要性は論を俟ちませんが、キャリア支援体制整備には未だに課題が残されています。専任の担当者を設置することの難しさや学内部署との連携の時間の取りづらさ、などの声をよく聴きます。日々の修学支援に追われるなかで、キャリア支援をやりたいけれど難しいというのが実際なのかもしれません。
障害学生のキャリア支援体制を学内につくるとしたら、どこから手をつけて良いのか分からず困っている方も少なくないように思います。本分科会では、これからキャリア支援体制をつくろう、充実させよう、もしくは再点検しようという支援者を主たる対象として、障害学生のキャリア選択を支えるために明日からできること、そして、現時点で考えられる障害学生のキャリア支援のめざす方向性について、フロアのみなさまや話題提供者とともに考えていきます。

15:15 閉会

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