草原

分科会概要

2018年6月29日(金曜日)

 午後(13時30分〜15時30分)/高専分科会 【場所:センター棟 108】
【高専分科会】「高専における障害学生支援の現状と課題」

国立の高等教育機関において合理的配慮が義務化された状況下で、各高専がどのように障害学生支援体制を構築してきたか、ディスカッションを中心に現状や課題を共有し、今後の支援のあり方を検討する。必要に応じて、文部科学省「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第二次まとめ)」の要点や大学での取組例の情報を提供する。

コーディネーター:矢澤 睦(仙台高等専門学校)、高橋知音(信州大学)

2018年6月30日(土曜日)

 午前(10時00分〜12時15分)/4分科会 【場所:センター棟 3F・5F】
【分科会A】日本財団プログラム「平成29年度・障害学生支援に係るリーダー育成研修」報告会

日本財団と米国マサチューセッツ大学ボストン校Institution for Community Inclusionの共催で、2017年10月に「平成29年度・障害学生支援に係るリーダー育成研修」が実施された。2期目となった平成29年度は3大学(名古屋大学、富山大学、国際基督教大学)が選定された。参加校は米国の大学での障害学生支援と就労移行の接続に関する現状を知り、日米の比較を通じて、参加校それぞれが、今後必要となる新しい取り組みを模索した。本分科会では、研修の内容や米国の現状、得られた成果について報告する。

コーディネーター:桶谷文哲(富山大学)、面高有作(九州大学)
担当理事:高橋知音(信州大学)
【分科会B】「教育の質保証とテクニカルスタンダードをめぐる諸課題について」

合理的配慮を検討する場合、成績評価に関連し「教育の質」の確保が課題となる。また、医療系、教育系等の資格取得を目指す学部では、資格取得に必要な本質的要件を示すテクニカルスタンダードとの関係が議論される。

本分科会ではここで生じるさまざまなコンフリクトを確認し、テクニカルスタンダードを充足しつつ実施される合理的配慮のあり方を議論したい。話題提供者には医療系のご経験のある方を予定している。

コーディネーター:舩越高樹(京都大学)、森脇愛子(東京大学)
担当理事:中野泰志(慶応義塾大学)
【分科会C】「地域における社会資源と連携した支援体制の構築」

大学等への通学や学内での生活支援については、情報保障等の修学上の支援とは異なり、大学等の障害学生支援の機能だけでは対応が難しく、地域の社会資源と連携が必要になるケースも少なくない。しかし、現時点ではそうしたニーズへの対応について明確な指針は示されていない。個々の学生の障害の状況、地域の特性、大学の体制整備の状況等によって解決策はさまざまであるが、本分科会では、実際に地域の社会資源と連携して対応した事例を共有して、大学等における生活支援のあり方について考える機会としたい。

コーディネーター:五味洋一(群馬大学)、望月直人(大阪大学)
担当理事:柏倉秀克(日本福祉大学)
【分科会D】「5年後の障害学生支援コーディネーターのあり方について ――アメリカにおけるコーディネーターの歴史を参考に」

障害者差別解消法の施行を背景として、大学等では体制整備が進み、コーディネーターが配置される大学も増加している。しかし一方で、コーディネーターの業務量の増大や、役割分担の不明確さ、また専門領域での使命も重く、「目の前の学生を支援する」のと同時に、「コーディネーターの業務や役割の質的・量的整理」を要する段階にきた。

そこで、障害学生支援が法的義務となって3年目となる今、「コーディネーターを取り巻く現状」について共有するとともに、アメリカにおいてコーディネーターが辿った歴史を参考に、5年後10年後の日本の障害学生支援コーディネーターのあり方について考える機会としたい。

コーディネーター:岡田孝和(明治学院大学)、土橋恵美子(同志社大学)
担当理事:白澤麻弓(筑波技術大学)
 午後(13時45分〜16時00分)/4分科会 【場所:センター棟 3F・5F】
【分科会E】「入試・試験における合理的配慮」

大学入試だけでなく通常試験においても合理的配慮(Testing Accommodations)を受ける障害学生が増加している。高等教育機関における障害学生支援体制の整備が進められているが、入試や試験における合理的配慮については未成熟といってよい。試験調整の希望に対して、苦慮した経験を持つ支援担当者は少なくないのではないだろうか。この分科会では、当事者、支援者、大学入試センターの研究者といった複数の観点から入試や試験における合理的配慮の「合理性」について学び、参加者と共にベストプラクティスについて議論する。

コーディネーター:佐藤剛介(名古屋大学)、Peter Bernick(長崎大学)
担当理事:竹田一則(筑波大学)
【分科会F】「大学等における支援体制構築:聴覚障害学生編」

障害者差別解消法が施行され、障害学生への支援体制を整備する大学は増加している。しかし、聴覚障害学生に初めて情報保障支援を提供し、支援体制を構築する大学においては手探り状態の現状がみられる。他障害に比して人材確保や予算確保を要することに加え、聴覚障害学生の情報獲得困難さは見えづらく、対話を重ねながら適切な支援実現を果たすには特有の難しさが伴う。

本分科会では、聴覚障害学生への支援体制構築にあたり、教職員が知っておくべきポイントを解説するとともに、事例を共有した上で参加者同士が活発に情報交換を行い、各大学における支援体制構築・発展につなげる機会としたい。

コーディネーター:有海順子(山形大学)、中津真美(東京大学)
担当理事:松崎 丈(宮城教育大学)
【分科会G】「発達障害学生に対する就労移行支援の在り方」

近年、障害学生における就職支援、とりわけ発達障害学生においては大学等から就労への移行が課題となっている。文部科学省の第二次まとめにおいても、大学等から就労への移行の重要性が明記されるようになり、今後一層、就労への移行が重要視されると考える。この分科会では、発達障害学生が安定的な就労や定着を目指すうえで、大学等と就労支援機関・企業との必要な連携の在り方について提案していきたい。

コーディネーター:工藤陽介(明星大学)、日下部貴史(富山大学)
担当理事:西村優紀美(富山大学)
【分科会H】「アクセシビリティ社会を目指したAT・ICT技術の活用」

高等教育機関に在籍している障害のある学生は多様化しつつある。その多様性に対応するためには、AT・ICT技術を含むテクノロジーの利用が重要となってくる。テクノロジーの利用が障害のある学生の能力を最大限に引き出せる可能性がある。しかし、障害学生支援の現場では、普及していないのが現状である。

そこで、本分科会では、身近なテクノロジーを紹介することで、障害学生支援における導入・活用のハードルを下げ、そのうえで、AT・ICTを含むテクノロジー利用の在り方を検討することを目的とする。

コーディネーター:山本幹雄(広島大学)、楠 敬太(大阪大学)
担当理事:渡辺崇史(日本福祉大学)

以上