プログラム
Day.1
8月29日(木)
10:00-10:10
開会の挨拶
主催者代表(AHEAD JAPAN)
共催者代表(慶應義塾大学)
10:15-12:00
講演
「障害者運動の水脈をたどる」
- 登壇者
- 荒井裕樹(⼆松学舎⼤学)
- ナビゲーター
- 村田淳(京都大学)
- 内容
-
戦後日本の障害者運動は1970年代に一つの山場・転機を迎えました。この時期、明確に障害者差別と闘おうとする運動が、特に脳性マヒ者を中心とする運動家たちによって牽引され、大きな影響力を持ちました。当時の運動家たちの言葉を読んでいると、現在、私たちが障害者差別について議論する際に共有している問題意識がすでに含まれていることに気がつきます。
本発表では、そうした問題意識の「水源」(のようなもの)を、特に「日本脳性マヒ者協会青い芝の会」の基本的なテクストのなかから探してみたいと思います。例えば「社会モデル」や「インクルージョン」といった言葉もなかった半世紀前、これらの概念はどんな言葉で模索されたのでしょうか。そうした点について、考えてみたいと思います。 - プロフィール
-

荒井裕樹(あらい・ゆうき)
二松学舎大学文学部教授。専攻は、障害者文化論、日本近現代文学。
著書に、『障害と文学「しののめ」から「青い芝の会」へ』(現代書館)、『生きていく絵 アートが人を〈癒す〉とき』(亜紀書房)、『差別されてる自覚はあるか 横田弘と青い芝の会「行動綱領」』(現代書館)、『障害者差別を問いなおす』(筑摩書房)、『車椅子の横に立つ人 障害から見つめる「生きにくさ」』(青土社)、『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)、『凜として灯る』(現代書館)などがある。第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞。
13:15-17:00
ポスターセッション/ブース展示
- 実践・研究のポスター発表
- 関連団体、賛助会員のブース展示(JASSO、PHED、HEAP、PEPNet-Japan、BHE等)
13:15-14:15
対談①
「障害学生支援の専門職はどのようにつくられるか—経験とスキル、そしてキャリアパス—」
- コーディネーター
- 藤原隆宏(関西大学)
- 対談パートナー
- 吉田朝香(京都大学)
- 内容
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障害学生支援において専門職に対する期待と責任は大きく、文部科学省「障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)」でも、障害学生支援の「機能」として専門的知識を有する支援担当者の配置と、更なる専門性の向上やキャリアパスの構築が重要であるとしています。しかしながら、障害学生支援の専門職に求められる資格やスキルについて統一したものが示されているわけではなく、各々が有する専門資格や経験を生かしつつ、障害学生支援のプロセスのなかで実践を通して現場に即した知識やスキルを身につけているのが現状ではないでしょうか。
このプログラムでは、日々障害学生支援の現場でケースと向き合っているコーディネーターの対談から、これまでの経験がどのように生かされ、また実践から何を身につけ、そして障害学生支援の専門職が形成されていくのか、そのキャリアパスを考えていきます。
14:30-15:45
行政説明
※当プログラムは後日会員向けにオンデマンド配信も行います。
「障害学生支援をとりまく社会的動向」
- 登壇機関等
- 内閣府、文部科学省、日本学生支援機構
15:30-17:30
高専分科会
「高専における障害学生支援の現状と課題—各役職の立場から連携や体制作りを考える—」
- コーディネーター
- 矢澤睦(仙台高等専門学校)、舩越高樹(筑波大学)
- 内容
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高専における障害学生支援の現状と課題について、今回は特に看護師、カウンセラー、職員などの立場の皆様の参加も広く想定して、連携や支援体制作りのあり方についてそれぞれの立場から語り合う機会としたいと思います。企画のほぼ全編を全員参加のディスカッションにする予定です。参加人数に応じてグループを分けたディスカッションにする可能性もあります。連携や体制作りをテーマとして想定していますが、是非このテーマで語り合いたい!というご希望がありましたら、下記連絡先メールアドレス宛にお寄せください。当日柔軟に取り入れたいと思います。
広範な立場からの高専関係者の皆さまのご参加をお持ちしております。(本分科会は基本的に高専関係者を対象としております。)
連絡先メールアドレス:矢澤睦(仙台高専)yazawa(at)sendai-nct.ac.jp ※(at)を@に変えて送信してください。
16:00-17:00
対談②
「改正障害者差別解消法の理念を実現するための大学のあり方:合理的配慮義務化の先を目指して」
- コーディネーター
- 中野泰志(慶應義塾大学)
- 対談パートナー
- 大胡田誠(おおごだ法律事務所)
- 内容
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2024年4月の改正障害者差別解消法の施行により、全ての大学等において合理的配慮の提供が義務化されることを踏まえ、障害のある学生の修学支援に関する検討会報告(第三次まとめ)が公表されました。第三次まとめでは、障害学生支援に関する基本的な考え方が整理され、障害学生支援における諸課題への考え方と具体的な対処の取組が示されています。しかし、障害者差別解消法の理念である「障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資する」ためには、学生だけでなく、障害のある教職員への支援体制の充実、障害者雇用の促進、大学附属病院等の附属施設のバリアフリー対応、読書バリアフリーや情報バリアフリーの推進等も必要不可欠です。本対談では、合理的配慮義務化の先にある改正障害者差別解消法の理念を実現するための大学のあり方について議論します。
Day.2
8月30日(金)
分科会企画
当⽇、ご関⼼のある分科会を選んでご参加ください(事前申し込み不要、先着順)
午前の部 10:00-12:00
[第三次まとめ分科会]
「『第三次まとめ』を紐解く—高等教育機関はどう受け止めていくべきか?—」
- コーディネーター
- 楠敬太(佛教大学)
- 話題提供者
- 白澤麻弓(筑波技術大学)、高橋知音(信州大学)、原田新(岡山大学)
- 内容
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令和6年4月に改正障害者差別解消法が施行され、私立大学を含むすべての高等教育機関で合理的配慮の提供が法的義務となりました。法整備と並行して、高等教育機関に在籍している障害のある学生数は、日本学生支援機構(JASSO)の調査によると10年前より約4倍に増加しています。
このような状況を鑑み、令和5年5月より「障害のある学生の修学支援に関する検討会」が開催され、障害学生支援の課題の整理や基本的な考え方、具体的な対応について計10回議論が行われ、その結果が「第三次まとめ」として公開されました。「第三次まとめ」では、障害学生支援は学生に対する教育の保障という高等教育機関の責務を果たすために欠かせないものであると明言されており、高等教育機関の在り方自体が問われています。
そこで本分科会では、検討会メンバーも含めた障害学生支援関係者4名とフロアとの議論を通じて、「第三次まとめ」を紐解くとともに、高等教育機関の進むべき道を検討していきます。
[災害時対策分科会]
「これからのインクルーシブ防災—事例から考える障害・支援・防災対策—」
- コーディネーター
- 竹田周平(福井工業大学)
- 話題提供者
- Peter Bernick(長崎大学)、酒井春奈(立命館大学)
- 内容
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日本は、災害大国であることは誰もが知る事実です。今後は首都直下地震や南海トラフ地震など、国難級と予測される巨大地震も現実味が帯び、防災対策がより一層重要となってきました。このような状況のなか、東日本大震災では「障害を有する方々の犠牲者は健常者の約2倍」というエビデンスが積み上げられています。一方で、高等教育機関では教育や学生生活を中心とした合理的配慮の提供への対策に追われ、本来重要な支援でもある防災対策、つまりインクルーシブ防災が後回しにされている課題が指摘されています。本分科会では、防災対策の社会実装を加速させるために、令和6年能登半島地震での話題提供や、近年の高等教育機関における事例(直ぐにでも取り組める事例)を取り上げ、分科会参加者とともにこれからの「インクルーシブ防災」を考える、また再考する機会にします。
[多職種連携分科会]
「ホンネで語る多職種連携—学生相談・保健管理・障害学生支援 有意義なサポートとは—」
- コーディネーター
- 望月直人(大阪大学)
- 話題提供者
- 神藤典子(関西大学)、堀田亮(岐阜大学)、石井映美(早稲田大学)
- 内容
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休学が妥当と思われる学生、未診断で自己理解が低く手続きが進みにくい学生など、対応困難となりやすい学生に対して、学内外の多職種(多機関)が連携したサポートが必要となることが多々あります。従来から、対人支援にかかる多くの領域でその重要性は指摘されています。障害学生支援の現場においても同様ですが、結局は差し障りのない結論で終わりやすいこともあって、何か消化できない、もやもやする方も多いのではないでしょうか。
本分科会では、困難事例を素材にして、障害学生支援、学生相談、保健管理の3者の立場から、多職種連携について、ホンネで現場の声を発表いただき、有意義な連携やサポートについて議論します。ときには、建設的な批判が飛び交う場となるかもしれませんが、それも興味深いと考える登壇者の面々です。学校種別の違いも含めて、フロアのみなさまと多様で深い対話の機会となることを期待しています。
午後の部 13:15-15:15
[支援体制のマネジメント分科会]
「障害学生支援のマネジメント—『個』に対応する支援体制のアプローチ—」
- コーディネーター
- 森麻友子(和歌山大学)
- 話題提供者
- Peter Bernick(長崎大学)、物部剛(京都産業大学)、井上友裕(京都産業大学)、山上亜紀(活水女子大学)
- 内容
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障害のある学生がどの高等教育機関でも質の高い配慮・支援が受けられることを目指して、備えるべき支援体制や人材・技術等が「障害学生支援のスタンダード」(PHED)として公表されています。一方で、支援組織の構成や配慮・支援のあり方は、規模や特色により、さまざまな状況です。
本分科会では、これから体制を構築する、充実させる、見直す等、各大学等が「今いるところ」から、どのように社会モデルに基づく持続可能な支援体制を発展させられるのか。また、「個」に応じた支援を実践するために支援者・支援組織に求められる活動やスキルは何か。その2つの観点から障害学生支援のマネジメントについて話題提供者とフロアのみなさまで話し合い、明日からできること、また、中長期視野でできる(したい)ことを考えていきます。支援体制整備に関わる教職員だけでなく、現場で学生の支援で頭を悩ませ、奮闘しているコーディネーターの方も対象となります。
[入試・高大接続分科会]
「入試の合理的配慮の現状と今後」
- コーディネーター
- 近藤武夫(東京大学)
- 話題提供者
- 立脇洋介(九州大学)、南谷和範(大学入試センター)
- 内容
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入試について、以下の3つの観点から話題提供と議論を行います。
(1)共通テストのアクセシビリティの現在地はどこまで来ていて、今後はどうなるのでしょうか。日本における共通テストというナショナルテストの合理的配慮メニューが、各大学の合理的配慮提供の判断に与える暗黙の影響を、各大学ではどう捉えておくと良いかについて議論します。
(2)試験において個別の状況に即して行われる種々の合理的配慮について、共通テストと個々の大学での試験の現状や課題はどのようなものでしょうか。そもそも、障害のある受験生にとって公平な試験状況とは、本来はどのようなものなのかについても議論します。
(3)大学入試に至る教育関係の文化・制度に現存する社会的障壁を解消するには、どのような社会的資源や地域連携が必要でしょうか。入試へのイコールアクセスを保障する上で、大学・地域(特に高校を管轄する都道府県教委など)・国、それぞれが担うべき役割について議論します。
[専門職分科会]
「これからの障害学生支援 —『専門性』を再考する—」
- コーディネーター
- 蒔苗詩歌(北星学園大学)、宮谷祐史(関西大学)
- 話題提供者
- 髙橋由子(高知大学)、岡田孝和(明治学院大学)
- 内容
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社会の変化に伴い、障害学生支援コーディネーターには様々なものが求められるようになりました。一方で、多領域の支援専門職によって新たな職能集団が形成されているため、向かうべき専門性が混沌とし、倫理規定といったベースラインもありません。そのようななかで、合理的配慮の構成要素や東京大学PHEDが公開するQI(障害学生支援スタンダード)といった、私たちコーディネーターの共通言語が少しずつ増えてきている状態です。
本分科会では、アーリーキャリアである若手コーディネーターが、「私たち障害学生支援担当者の専門性とは?」をテーマに、日々の学生支援における自身の思考を表出し省察していきます。これに対してスーパーバイズとしてコーディネーターの先達からコメントをいただき、若手(私たち)の視点から専門性を再考していきます。これからの障害学生支援について、専門性を切り口に皆さんと一緒に考えていく時間にしたいと思います。