高等教育と障害 / 第1巻 第1号

実践・研究報告

肢体不自由学生の教育実習参加に関する実践報告

平賀健太郎・池谷 航介・山森 一希
2019年 1巻 1号 p.24-33
DOI: 10.34322/jhed.1.24
要旨
障害学生の教育実習においては,個々の障害状況に即した合理的配慮の提供が求められる。本論文では,肢体不自由のある大学生の小学校における教育実習について報告を行う。車椅子を常時使用する学生の教育実習に関しては,参考となる実践報告が少なく,必要な配慮を模索しながら準備が進められた。本報告では,実習開始までの各時期における下記の内容について,その経過を記した。「実習校の決定までのプロセス」,「大学教職員と障害学生との面談内容」,「大学と実習校との協議の方法や内容」,「実習中の配慮事項」,「障害学生が行った準備内容」についてである。今回の実習は,大きな問題を生じることなく終了し,その要因として「大学側に実習に関する豊富な経験があったこと」,「実習校との綿密な事前協議がなされたこと」,「本人の意欲が保持されていたこと」,「本人の予期不安が軽減されたこと」が指摘された。
キーワード
障害学生支援 肢体不自由 教育実習 合理的配慮
本文
PDF DAISY DOCX