高等教育と障害 / 第1巻 第1号

原著

大学生のための読字・書字課題と読み書き支援ニーズ尺度の開発

高橋 知音・三谷 絵音
2019年 1巻 1号 p.1-12
DOI: 10.34322/jhed.1.01
要旨
大学生を対象とした,読字,書字の速さと正確さを評価する読字・書字課題と,読み書きに関する支援ニーズを評価する読み書き支援ニーズ尺度を開発した。読字・書字課題は,黙読課題,視写課題,音読課題から構成されていた。尺度は大学生の現在と小学校時代の読むこと,書くこと,その他(聞く,伝える,記憶するなど)に関する,4件法93項目から構成されていた。101名の大学生を標準化サンプルとして,読字,書字の速さの標準値を得ることができた。各課題,尺度に関して,十分な信頼性の根拠が得られた。妥当性については,黙読課題と一般的な長文の黙読との間に相関がみられた。尺度については,読字・書字の速さとの相関から妥当性の根拠が得られた。読字・書字課題は,読み書きに関する合理的配慮の根拠資料としての活用が期待される。また,尺度は,大学生における潜在的な読み書きの支援ニーズを把握することに利用が可能である。
キーワード
読字 書字 支援ニーズ 尺度開発
本文
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